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「夕方になると腕がだるい」「肩がこって仕事に集中できない」——パソコンやスマートフォンを長く使う毎日のなかで、こうした不調を感じる方は少なくありません。本記事では、国家資格を持つ鍼灸師の筆者が、東洋医学で古くから使われてきたツボ「手三里(てさんり)」について、場所の探し方から押し方、期待される働きまで、東洋医学になじみのない方にもわかりやすく解説します。
手三里(てさんり)とは?
手三里は、肘を曲げたときにできるシワの先から、手首に向かって指三本分ほど下がった場所にあるツボです。腕にあるツボのなかでも押しやすく、家庭でのセルフケアとして古くから親しまれてきました。
名前の由来——「肘から三里」
「三里」とは、もともと距離を表す言葉です。肘から指三本分ほど離れた位置にあることから、この名がついたとされています。なお、脚にも「足三里(あしさんり)」というツボがあり、区別するために腕の側を「手三里」と呼びます。
大腸経(だいちょうけい)に属するツボ
手三里は、東洋医学でいう大腸経——大腸とつながる経絡(けいらく。気〔き〕や血〔けつ〕といった生命エネルギーが流れる体内の通り道)——の上にあります。大腸経は人差し指の先から腕の外側を通り、肩や顔へと続いています。そのため手三里は、腕や肩まわりの不調と関わりが深いと考えられています。同じ大腸経のツボには、肘にある曲池(きょくち)や、手の甲にある合谷(ごうこく)があり、あわせて用いられることもあります。
手三里の場所と探し方
肘のシワから指三本分が目安
手のひらを上に向け、肘を軽く曲げます。すると肘の内側にシワができます。このシワの外側の端から、手首に向かって指三本分(人差し指・中指・薬指をそろえた幅)下がったあたりが、手三里のおおよその位置です。
押して響く場所を確かめる
目安の位置を指で軽く押すと、奥に「ズーンと響く」ような感覚のある場所が見つかります。これがツボを探すときの手がかりです。手三里は左右の腕の両方にありますので、片方ずつ確かめてみてください。
手三里が役立つとされる場面
東洋医学では、手三里はさまざまな場面でのセルフケアに活用されています。ここではあくまで一般的な考え方として、代表的なものを紹介します。
腕の疲れ・肘まわりの不調
手三里は前腕の筋肉の上にあります。文字を書く、マウスを操作するなど腕をくり返し使う作業で疲れがたまったとき、手軽なケアとして用いられてきました。
肩こり・首のこり
大腸経は肩へと続いているため、手三里は肩や首のこりが気になるときにも使われます。デスクワークで同じ姿勢が長く続く方に親しまれているツボです。
胃腸の調子
古くから手三里は、胃腸の働きを整えるツボとしても知られています。食べすぎや胃の重さが気になるときの養生の一つとして用いられてきました。
全身の疲れや夏バテのケアに
手三里は腕や胃腸だけでなく、全身がだるいときや夏の疲れが抜けないときの養生にも使われてきました。胃腸の働きが整うと、東洋医学では食べ物から「気」を十分に取り込めるようになり、結果として元気の土台が支えられると考えられているためです。手足のツボを組み合わせて押すと、より気分の切り替えにつながりやすいでしょう。
手三里の正しい押し方
基本の手順
反対側の手の親指を手三里に当て、息をゆっくり吐きながら3〜5秒かけて押します。そのあと力を抜き、これを5回ほどくり返します。強く押しすぎず、「痛気持ちよい」と感じる程度を目安にしてください。
温めるケアも取り入れる
東洋医学では、ツボを温めることも巡りを助ける方法とされています。蒸しタオルや市販のお灸で手三里のあたりをじんわり温めるのも、家庭で取り入れやすいケアです。
日常での活かし方
デスクワークの合間に
手三里は座ったまま片手で押せるため、仕事や家事の合間のひと休みに向いています。1〜2時間に一度、軽く押して腕をいたわる習慣にすると続けやすいでしょう。
セルフケアの注意点
皮膚に傷や炎症がある部分、強い痛みがある場合は押すのを控えてください。妊娠中の方や持病のある方は、事前に医師や鍼灸師に相談すると安心です。
おすすめ関連グッズ・本
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まとめ
手三里(てさんり)は、肘から指三本分ほど下がった、大腸経に属するツボです。腕の疲れや肩こり、胃腸の調子など、幅広い場面でのセルフケアに用いられてきました。場所を覚えれば座ったまま手軽に押せるのが魅力です。毎日の習慣に少しずつ取り入れてみてください。
※本記事は東洋医学の一般的な考え方・セルフケアの情報提供を目的としており、医療行為の代替となるものではありません。体調に不安がある場合は、医師または鍼灸師などの専門家にご相談ください。


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