【鍼灸師監修】肝兪(かんゆ)の場所と押し方|目の疲れ・イライラ・胃の不調に効くツボを解説

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「夕方になると目がしょぼしょぼする」「理由もなくイライラしてしまう」——そんな不調に、東洋医学では背中にある肝兪(かんゆ)というツボが役立つとされています。本記事では、国家資格を持つ鍼灸師の筆者が、肝兪の位置・押し方・期待できる効果を、東洋医学を知らない方にもわかりやすく解説します。

肝兪(かんゆ)とは?

肝兪は、背中の中ほどにある経穴(けいけつ)——ツボの正式な呼び名——のひとつです。その名のとおり、東洋医学でいう「肝(かん)」の働きと深く関わるツボとされています。

東洋医学の「肝」と関わるツボ

東洋医学の「肝」は、血(けつ)をたくわえ、気(き)——体を動かすエネルギー——の流れをスムーズに保つ役割を担うと考えられています。肝兪は、この肝の状態が反映されやすい場所とされ、背骨の左右を縦に走る「膀胱経(ぼうこうけい)」という経絡(けいらく)の上に位置します。肝そのものの働きについては、別記事「東洋医学の「肝」とは?」で詳しく解説しています。

「背兪穴(はいゆけつ)」という考え方

背中には、内臓の名を冠したツボが縦に並んでいます。これらは背兪穴と呼ばれ、対応する臓の不調があらわれやすい反応点として、古くから重視されてきました。肝兪は、その「肝」に対応するツボにあたります。

「肝」は春に高ぶりやすい

東洋医学では、肝の働きは春に活発になり、同時に高ぶってバランスを崩しやすいとされています。季節の変わり目に目の疲れやイライラを感じやすい方は、肝兪を日々のケアに取り入れておくと、心身の切り替えを助けてくれると考えられています。

肝兪の場所と見つけ方

位置の目安

左右の肩甲骨の下端を結んだ高さが、背骨の第7胸椎(きょうつい)あたりです。そこから背骨をたどって2つ下がった突起(第9胸椎)の下縁から、指幅2本分ほど外側——ここが肝兪の目安です。背骨をはさんで左右一対にあります。

ひとりで押しにくいときは

背中のツボは、自分の手では届きにくい場所にあります。床にテニスボールを置いて仰向けになり、肝兪のあたりに当てて体重で刺激する方法や、ご家族に押してもらう方法が現実的です。無理な体勢は避けてください。

肝兪が体に与える影響

目の疲れ・かすみ

東洋医学では「肝は目に開竅(かいきょう)する」——肝の状態が目にあらわれる——と考えます。そのため肝兪は、目の疲れやかすみのセルフケアに用いられることがあります。パソコンやスマートフォンで目を酷使しがちな方に向くツボとされています。

イライラ・ストレス

気の流れが滞ると、東洋医学では気持ちが張りつめやすくなるとされます。肝兪は気の巡りを整える目的で使われ、ストレスによる緊張感のケアに活用されています。同じくストレスに用いられる足のツボ「太衝(たいしょう)」とあわせて使うのもよいでしょう。

胃の不調

肝の働きが乱れると、消化を担う「脾胃(ひい)」に影響が及ぶと考えられています。ストレス性の胃もたれや食欲の低下がある場合に、肝兪が用いられることがあります。

日常での活かし方(押し方)

基本の押し方

指の腹や親指で、息を吐きながら5秒ほどゆっくり押し、力を抜きます。これを左右それぞれ5回程度が目安です。強く押しすぎず、「気持ちいい」と感じる範囲にとどめるのがコツです。

温めると巡りやすくなる

背中は冷えやすい場所です。ツボ押しに加えて、蒸しタオルやお灸(きゅう)でじんわり温めると、血や気の巡りをうながしやすくなります。入浴後の体が温まったタイミングもおすすめです。

押すときの注意点

食事の直後や飲酒後、発熱しているときは、ツボ押しを控えましょう。妊娠中の方や持病がある方は、事前に医師や鍼灸師に相談すると安心です。皮膚に傷や炎症がある部分は避けてください。あくまで心地よさを目安に、痛みを我慢してまで刺激しないことが大切です。

おすすめ関連グッズ・本

肝兪のセルフケアや東洋医学の学習に役立つアイテムをご紹介します。

まとめ

肝兪は、東洋医学の「肝」と関わる背中のツボで、目の疲れ・イライラ・胃の不調のセルフケアに用いられてきました。位置を確かめ、息を吐きながらやさしく押し、温めるケアを組み合わせるのがポイントです。毎日の習慣として、無理のない範囲で取り入れてみてください。


※本記事は東洋医学の一般的な考え方・セルフケアの情報提供を目的としており、医療行為の代替となるものではありません。体調に不安がある場合は、医師または鍼灸師などの専門家にご相談ください。

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