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「食後に胃が重たく感じる」「なんとなく食欲がわかない」。日々の暮らしのなかで、胃の調子に悩む方は少なくありません。東洋医学では、こうした胃の不調をやわらげるために、背中にある「胃兪(いゆ)」というツボが古くから用いられてきました。この記事では、国家資格を持つ鍼灸師の筆者が、胃兪の場所・押し方・役立つとされる症状を、東洋医学の考え方とあわせてわかりやすく解説します。
胃兪(いゆ)とは?どんなツボ
胃兪(いゆ)は、背中の下のほう、背骨をはさんで左右に一対ある、胃の働きと深く関わるツボです。東洋医学では、胃の調子を整える代表的なツボの一つに数えられます。
「兪(ゆ)」がつくツボの意味
ツボの名前につく「兪(ゆ)」とは、背中側にあって、特定の臓腑(ぞうふ)——内臓のこと——の気が集まるとされる場所を指します。こうしたツボは「背部兪穴(はいぶゆけつ)」と呼ばれ、背骨の両脇に規則正しく並んでいます。胃兪はその名のとおり、胃に対応する背部兪穴です。すぐ上には消化を担う脾兪(ひゆ)があり、消化器に関わるツボが隣り合って並んでいます。
胃兪の場所と見つけ方
胃兪は、背中の下部にあります。左右の骨盤の一番高いところを結んだ線よりも、やや上のあたりが探す手がかりになります。
具体的な探し方の手順
まず、背骨の中心を指でたどり、みぞおちの真裏より少し下、第12胸椎(きょうつい)の下を探します。次に、そこから左右へ指幅2本分(およそ4〜5センチ)外側へ移動します。押すと軽く響くような、心地よさや軽い痛みを感じる点があれば、それが胃兪の目安です。自分の手では届きにくい位置のため、家族に押してもらうか、後述するグッズを使うと便利です。
胃兪の押し方・セルフケアの方法
胃兪への刺激は、強く押しすぎないことが基本です。次の手順を参考にしてください。
基本の押し方の手順
第一に、息をゆっくり吐きながら、親指の腹で5秒ほどかけて心地よい強さで押します。第二に、息を吸いながら5秒かけてゆっくり力を抜きます。これを左右それぞれ5回程度くり返します。強い痛みを感じるほど押す必要はありません。「気持ちよい」と感じる程度が目安です。入浴後など、体が温まっているときに行うと、より効果的とされています。冷えが気になる場合は、お灸で温める方法も選択肢の一つです。
胃兪が役立つとされる症状
東洋医学では、胃兪は胃の働きが弱ったときの調整に用いられてきました。胃もたれや食欲不振、消化不良といった、いわゆる「胃の疲れ」を感じるときに活用されています。また、背中のこりや張りをやわらげる目的で使われることもあります。
なぜ胃の不調に背中のツボなのか
「胃の不調なのに、なぜお腹ではなく背中なのか」と疑問に思う方もいるでしょう。東洋医学では、内臓の状態は背中側にもあらわれると考えます。胃が疲れると、対応する背部兪穴である胃兪のあたりに、こりや圧痛(あっつう)——押したときの痛み——が生じやすくなる、というわけです。お腹側にある中脘(ちゅうかん)というツボとあわせてケアすると、前後から胃をいたわることができます。
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まとめ
胃兪(いゆ)は、背中の下部にある、胃の働きを整える代表的なツボです。食後の胃もたれや食欲不振が気になるときのセルフケアとして、無理のない範囲で取り入れてみてください。ただし、痛みが続く場合や強い症状があるときは、自己判断で対処せず、医師や鍼灸師などの専門家に相談することが大切です。
※本記事は東洋医学の一般的な考え方・セルフケアの情報提供を目的としており、医療行為の代替となるものではありません。体調に不安がある場合は、医師または鍼灸師などの専門家にご相談ください。

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