東洋医学には「五臓六腑」という考えがあり、体をひとつのバランスでとらえています。その中の「五臓」は 肝・心・脾・肺・腎 のこと。
さらに五臓は「五行説」と結びついており、自然界の要素とリンクしています。
- 木:肝(春・成長・のびやかさ)
 - 火:心(夏・喜び・活発さ)
 - 土:脾(長夏・消化・安定)
 - 金:肺(秋・収斂・乾燥)
 - 水:腎(冬・貯蔵・潤い)
 
つまり肺は「金」に属し、秋に影響を受けやすい臓とされています。
🌬 肺の基本的なはたらき
東洋医学でいう「肺」は、西洋医学の「呼吸器」だけではなく、次のような大きな役割を持つとされています。
- 気を取り入れ、全身に行き渡らせる
呼吸によって外から取り入れた「清気」と、飲食物から生まれる「穀気」を合わせ、全身をめぐらせる。 - 水分代謝を調整する
水分を全身に散らし、余分なものを外に出す。これによって、皮膚や粘膜を潤す働きがある。 - 外界から身を守るバリア
肺は「鼻」「皮膚」と深く関係するとされ、外邪(風邪や乾燥)から体を守る力を担っている。 
🍁 秋と肺の関係
五行説で「肺=金=秋」。
秋は空気が乾燥しやすいため、肺の潤いが失われて不調が出やすいと考えられています。
肺が弱ると、こんなサインが現れることがあります。
- 咳や喉の乾燥
 - 鼻づまり、鼻水
 - 皮膚のかさつき、かゆみ
 - 便秘ぎみになる
 
つまり、秋は肺を潤す養生が大切というわけです。
🥟 肺を元気にする食べ物
肺をケアするには「白い食材」や「潤いを与える食材」が良いとされています。
- 梨(喉を潤す)
 - れんこん(咳を和らげる)
 - 大根(消化を助ける)
 - 白きくらげ(潤いを守る)
 - 杏子(肺を潤し、乾燥を防ぐ)
 
これらは普段の食卓にも取り入れやすいですね。
🌱 肺をいたわる生活習慣
日常でできる肺ケアのヒントを7つ。
- 深呼吸を意識する
 - 適度な運動で気を巡らせる
 - 加湿やマスクで乾燥対策
 - 白い食材を料理にプラス
 - 冷たい飲食の摂りすぎを控える
 - 睡眠をしっかり取る
 - 感情面で「悲しみすぎない」ことも大事(金=肺の感情は“悲”とされるため)
 
✨ まとめ
東洋医学でいう「肺」は、呼吸だけでなく 気・水分・防御力 をつかさどる大切な臓。
五行説では「金」に属し、秋に弱りやすい特徴があります。
乾燥の季節には、白い食材や潤いを守る工夫を生活に取り入れることが、肺をいたわる養生になると考えられています。
  
  
  
  

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