私たちが日々感じる「怒り」「悲しみ」「心配」「喜び」などの感情。
実は東洋医学では、これらの感情も体の不調に関係すると考えられています。
こうした心の働きが体に影響を及ぼす原因を、東洋医学では「内因(ないいん)」と呼びます。
内因とは?
東洋医学における「内因」とは、人の感情が強く働きすぎたときに、体のバランスが崩れて不調につながるという考え方です。
代表的な感情は、次の7つ。
感情 | 漢字 | 関係する臓腑 | 影響しやすい心身の状態 |
怒り | 怒(ど) | 肝 | イライラ、頭痛、めまい |
喜び | 喜(き) | 心 | 興奮、不眠、動悸 |
思う | 思(し) | 脾 | 考えすぎ、食欲不振 |
憂い | 憂(ゆう) | 肺 | 胸が重い、ため息 |
悲しみ | 悲(ひ) | 肺 | 呼吸の浅さ、疲れ |
恐れ | 恐(きょう) | 腎 | 恐怖心、落ち着かない |
驚き | 驚(きょう) | 腎 | 緊張、不安、震え |
これらの感情は、自然に湧き出るものです。
しかし、強く出すぎたり、長く続いたり、抑えすぎたりすると、心と体のバランスを乱してしまうのです。
感情と五臓の関係
たとえば、こんなつながりがあります。
- 怒りが強い → 肝の気が上昇 → 頭痛や肩こりに
- 思い悩む → 脾が疲れる → 胃腸が弱り、だるさが出る
- 悲しみすぎ → 肺が弱る → 呼吸が浅く、疲れやすい
現代人は感情を抑える傾向があり、「表に出さないことがよい」と思われがちですが、自然な感情を上手に受け入れて、ゆるやかに流していくことが養生につながると考えられています。
東洋医学的・感情ケアのヒント
では、日々の生活でできる「内因」ケアにはどんな方法があるでしょうか?
1. 自分の感情を見つめる時間を作る
ちょっと立ち止まって、「今日、自分はどんな感情を感じていたか?」を書き出してみましょう。
日記やメモアプリでもOK。感情を言葉にすると、少し心が落ち着きます。
2. 呼吸を整える
呼吸は、感情と密接に関係しています。
悲しみが強いときや不安があるときは、ゆっくりとした腹式呼吸を意識してみてください。肺をやさしく動かすことで、心も落ち着いてきます。
3. 五感を楽しむ時間を持つ
好きな香りをかぐ、自然の音を聴く、温かいお茶をゆっくり飲むなど、五感を刺激する時間は、乱れた感情のバランスを整える手助けになります。
4. 体を動かす
ストレッチや散歩は、感情を「外へ流す」手助けになります。
特に怒りやモヤモヤがたまっているときは、軽い運動がおすすめです。
まとめ:感情も「養生」の一部
東洋医学では、感情の動きもまた「体のバランスを整える大切な要素」としてとらえます。
怒っても、泣いても、落ち込んでもいい。大切なのは、その感情を自分で認めて、やさしく付き合っていくこと。
気づいたときに、ちょっとだけ「心のケア」を意識してみてくださいね。
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