〜東洋医学で冬に負けない体づくり〜
■ 秋冬は「肺」と「腎」を整える季節
東洋医学では、秋から冬にかけての季節は**「肺」と「腎」**が深く関わる時期と考えられています。
冷たい空気や乾燥した風は、呼吸器系(肺)に負担をかけるだけでなく、体の“エネルギーの根っこ”である腎にも影響を及ぼします。
つまりこの時期は、肺と腎のバランスが乱れる=免疫力が下がる
ということにつながるのです。
■ 「肺」は体の“外側のバリア”を守る
肺は、外界の空気と最も関わる臓器。
東洋医学では「肺は気を主る(きをつかさどる)」といい、呼吸によって体全体にエネルギーを巡らせる役割があります。
また、「衛気(えき)」と呼ばれる体表(皮膚)の防御エネルギーを作り出すのも肺。
この衛気がしっかりしていると、風邪やウイルスを寄せつけにくくなります。
肺が弱ると、
- 風邪をひきやすい
- せき・鼻水が出やすい
- 皮膚が乾燥する
といったサインが出やすくなります。
■ 「腎」は体の“根っこ”で免疫を支える
腎は、生命エネルギーを蓄える臓器。
体の冷えに対抗する「陽気(ようき)」を生み出すため、腎が弱ると体が冷えやすく、回復力が落ちるようになります。
また、肺で作られた気を下へ送り、腎がそれを受け止めることで全身のエネルギーバランスが保たれます。
この「肺腎相互(はいじんそうご)」の働きがスムーズだと、免疫機能も高まります。
■ 肺と腎を元気にするおすすめのケア
🍠 食事
- 白い食材(大根、れんこん、ゆり根、白きくらげ)…肺を潤す
- 黒い食材(黒豆、ごま、ひじき、黒きくらげ)…腎を養う
- 温かいスープや生姜、ねぎなどを取り入れて体を冷やさない
🌿 生活
- 朝晩の冷え対策をしっかり(首・足首・腰を温める)
- 深呼吸や軽いストレッチで“気”の巡りを整える
- 睡眠を十分にとり、体の修復を促す
💆♀️ ツボ
- 太谿(たいけい) … 足首の内側、腎の力を補うツボ
- 中府(ちゅうふ) … 鎖骨の下、肺の働きを整えるツボ
■ まとめ
これから寒さが厳しくなる季節。
「肺」と「腎」を意識してケアすることで、風邪をひきにくく、冷えにも負けない体をつくることができます。日々の生活の中で、呼吸・温め・睡眠を大切にして、自然に寄り添う健康づくりをしていきましょう。


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