はじめに
夕方になると靴がきつくなる、朝は平気なのに夜は足がパンパン――。
こうした「むくみ」と「冷え」は別の問題に見えますが、東洋医学ではつながりが深いと考えます。
ここでは分かりやすく原因を整理し、日常でできる具体的な対策をお伝えします。
冷えとむくみがつながるしくみ
東洋医学では体を温める力を「陽気(ようき)」、水分のめぐりを「水(すい)」と考えます。
冷え(陽気の不足)があると血や気の巡りが滞り、水分がうまく動かず“溜まる”ことがあり、これがむくみになります。
つまり簡単に言うと:
- 体が冷える → 血流・気の巡りが弱くなる → 水分が停滞しやすくなる → むくむ
冷えを放置すると慢性的なむくみやだるさにつながることがあるため、早めのケアが効果的です。
よくあるタイプと特徴(セルフチェック)
以下のタイプ分けは東洋医学的な見方です。自分に近いものをチェックしてみてください。
A. 下半身冷え+夕方むくみタイプ(腎陽虚傾向)
- 足先・足首が冷たい
- 夕方〜夜にむくみが強くなる
- 冬は特に冷えを感じる、腰が重い
B. 体全体が重くだるいタイプ(脾虚湿盛傾向)
- 朝からなんとなく重だるい
- 食後に眠くなる、消化が弱い
- 全身にむくみが出やすい
C. 一時的なむくみ(生活習慣型)
- 同じ姿勢が長い日や塩分の多い食事の翌日にむくむ
- 冷たい飲み物をよく摂る人に多い
今日からできる「冷えとむくみ」セルフケア(実践的・簡単)
下は誰でも取り入れやすい習慣です。無理せず続けることが大切。
1)温める(外側ケア)
- 三首を温める:首・手首・足首を冷やさない。靴下・スカーフ・腹巻きを活用。
- 湯船に浸かる:ぬるめ(38〜40℃)で15分程度。血流が促されます。きつい場合は途中で休憩、水分補給をする☝
- 下半身を温める習慣:就寝時はレッグウォーマーや厚手ソックスを検討。
2)めぐらせる(動かすケア)
- 軽い運動:毎日20〜30分の散歩やふくらはぎストレッチ(ふくらはぎは“第二の心臓”)。
- ふくらはぎポンプ運動:つま先立ちを数回繰り返すだけで血流が上がる。
- 深呼吸:お腹まで息を入れてゆっくり吐く。全身の巡りを助けます。
3)食べ方・飲み方で整える(内側ケア)
- 冷たい飲み物は控えめに:常温か温かい飲み物へ切替え。
- 塩分・加工食品を控える:摂りすぎはむくみの原因になりやすい。
- 腎・脾を助ける食材:黒豆・黒ごま・さつまいも・山いも・生姜などを適量で取り入れる。
- 水分はこまめに少量ずつ:一度に大量よりこまめな摂取が安心。
4)セルフマッサージ・ツボ(やさしく)
- 足首回し:寝る前に片足ずつ10回ゆっくり回す。
- ふくらはぎマッサージ:下から上へ手のひらでさすり上げる。
- ツボ:足三里(すねの外側、膝下)、太渓(内くるぶしとアキレス腱の間)などを軽めに押す。
日常の「簡単ルーティン」例(朝・昼・夜)
- 朝:白湯1杯 → 軽い体操(5〜10分) → 足首チェック
- 昼:温かいスープ・塩分控えめの食事 → 立ち仕事ならときどき屈伸
- 夜:ぬるめの湯船(15分) → ふくらはぎマッサージ → レッグウォーマー着用で就寝
こんなときは専門家へ(受診目安・安全な案内)
以下のような症状がある場合は、自己判断を避け、医療機関や専門家に相談してください。
- 急に片側だけに強い腫れや痛みが出た
- むくみが急激に悪化し呼吸困難や胸の違和感がある
- 尿の量や色が大きく変化した(極端に少ない・濃いなど)
- 全身のだるさや体重増加が短期間で著しい場合
(※ここでの情報は生活改善のヒントです。診断や治療に代わるものではありません。)
よくある質問(Q&A)
Q:むくみがとれないときはどうしたら?
A:まずは“冷やしていないか”“塩分や水分の摂り方”“同じ姿勢が続いていないか”を確認。上記の習慣を2〜3週間続けてみて変化がなければ医療機関へ相談を。
Q:靴下は就寝時に履いた方がいい?
A:個人差がありますが、冷えが強い方は薄手の靴下やレッグウォーマーで温めると眠りやすくなることがあります。逆に熱がこもると不快な場合は外してください。
まとめ(今日からの一歩)
冷えとむくみは「温める」「めぐらせる」「整える」をバランスよく行うことで改善しやすくなります。
まずは無理のない習慣から始めてみてください:
- 足首・お腹・首を温める
- 毎日少し歩く・ふくらはぎを動かす
- 白湯や温かい飲み物、黒い食材を意識する


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